愛は要らない



きっぱりと、遥が答える

少しだけ、綾野は驚いた


「何故・・・?」

「今日、薫子さんに言った言葉の中に、1つだけ本当の言葉があったよ」


質問に答えない遥に、綾野は一瞬眉間にシワを寄せた


「なんですか?」


綾野が少し低い声で聞く


「一目見た瞬間に、君だと確信した」

「・・・・・・?」


珍しく、綾野が理解できないでいる


「一目見た瞬間に、妻にするなら君だと、確信したんだよ」