愛は要らない



「エルメスの香水・・・」

「ん?僕は香水なんてつけてないよ?」


自分の匂いを嗅ぐ遥に、綾野は落ち着いた様子で答える


「今まで会ってた女性のものでは?」

「・・・誰だと思う?」

「・・・・・・有沢 結子、と言わせたいんですか?」


綾野の答えに、遥は楽しげに笑う


「大正解~」


パチパチと拍手をしている


「あの人に、頼めば良かったんじゃ・・・」

「彼女じゃ、夫婦になる気は起きなかった」