愛は要らない



真面目だなぁ、と遥は笑いながら呟く


「用件は済んだので、私は帰りますね?」

「あぁ。・・・今夜は帰るよ。寄り道せずに真っ直ぐと。君のところに、ね」


遥が優しい微笑みを、綾野に向ける


「楽しみにしておきます」


完全な棒読みで、綾野は部屋を出ていった


「お帰りですか?」


エレベーターに乗ろうとすれば、結子に声をかけられた


「・・・はい。用件は済んだので」


エレベーターのドアが開いて、結子が見送る