【この電話は、電波の届かない所に居られるか、電源が入っていないため───】 電話を切って、遥は深いため息をつく 先程から、何回もかけているのだが、一向に綾野にかからない 挙げ句、遥の携帯もたまに圏外になる時がある 「こんなことなら、事前に連絡を・・・。あぁ、ダメか。知らせたら、綾野が逃げるかも・・・・・・」 自分で言っていて、情けなくなった 自分の妻に、逃げられる夫 呆れた笑いしか出なくて、遥はもう一度電話をかけてみた 今度は綾野の携帯ではなく、綾野の祖母の家に