愛は要らない



妊娠したこと以前に、好きだと思った時点で、誓約に反している


「大学の援助はいらないから、離婚しましょう。誓約を破ったのは、私なんだから・・・」

「離婚はしない。・・・子どもも堕ろさなくていいから」

「矛盾してる。・・・それに、私は随分と前から誓約に反してるのよ」


綾野は涙を堪えながら、言葉を続ける


「貴方みたいな男を好きになるなんて・・・。馬鹿みたい」

「好き・・・?なら、なんで離婚・・・」