愛は要らない



「産婦人科・・・。それよりもまず、市役所・・・?」


離婚届が必要になるかもしれない

泣きそうになりながら、綾野は西園寺家を飛び出した




「あら、遥?どうしたの?今は仕事ではないの?」


舞子が、早々と帰ってきた息子に、首を傾げる


「忘れ物。綾野の姿がないけど・・・」

「急いでどこかへ出かけたのよ。どうしたのかしら・・・。最近、様子もおかしかったし・・・」


舞子も、綾野の異変に気づいていたらしい