愛は要らない



──ガチャ


試着室を出て、舞子の元へ早足に向かう


「あら、綾野さん。ドレスは・・・着てないのね」

「サイズは、問題ないです。あの・・・」


残念そうな舞子の手元には、ダイヤモンドのネックレス


「これ?貴女に似合うと思うのよ。どうかしら?」

「・・・・・・要らない、と思います」


綾野が控え目に言ってみる


「他のデザインのものがいいのかしら?」

「そういう意味じゃないんですが・・・」