愛は要らない



確認すると、遥はにっこりと笑う


「泊まるだけだよ。それなら、母さんの期待は裏切らない」

「・・・・・・分かりました」


遥は鍵を拾うと、綾野に渡した


「・・・?」

「飲んでくるよ。部屋は・・・5036、だね」


エレベーターの前まで遥に送られ、綾野は部屋へと向かった


「・・・どうするかな」


綾野と別れた遥は、一言、そう呟いた




部屋に入った綾野は、西園寺家の寝室にも負けない室内に、居心地の悪さを感じた