愛は要らない



「どうかしたの?2人とも」

「な、何でもないです」


舞子に話しかけられ、綾野は直ぐ様体勢を立て直す


「私も、夫とよくここで食事したわ。ここのハンバーグが、とても気に入っているの」

「そうなんですか・・・」


舞子の楽しそうな顔を見ていると、帰りたいとはとても言えない


「そうだわ。言い忘れてた」


そう言うと、舞子はごそごそと、何かを取り出した


「・・・・・・鍵?」

「部屋をとったのよ。今夜はここに泊まっていいわ。大丈夫。あの人から許可はもらってるわ」