愛は要らない



「────というわけで、こういうことになった、と?」


ホテルのレストランで、遥は綾野の説明を一通り聞いて、状況を理解する

会社帰りに、舞子に無理矢理車に押し込まれ、ホテルに連れて来られた


「そんなに、孫が欲しいのか・・・?」


目の前でニコニコ笑っている舞子に、遥は苦笑い


「まぁ、分からないわけじゃないですけど・・・」


綾野は小声で答える


「いづれは離婚するわけですし、子どもは・・・」