愛は要らない



「もう、いいわ」


喧嘩をする気分ではない

シートに座り込む綾野に、遥は笑って、大きな荷物を渡す


「何、これ?」

「お詫び、かな」


よく分からないが、中身を見てみることにした


「・・・これ・・・・・・」


湖の白鳥が描かれた絵

綾野が、ずっと見ていた絵だ


「なんで・・・」

「さぁ?どうしてだろうね」


楽しげに笑う遥に、綾野は恥ずかしくなる


「あ、ありがとう、ございます」