愛は要らない



いつもの遥の笑顔と違って、どこか悲しげな遥に、綾野は視線を逸らす

見てはいけない気がした


「片付けましょうか?」

「・・・あぁ」


過去の古傷をえぐられたような顔をする遥は、皿を洗う綾野の後ろ姿を見つめていた


「なんですか?」


片付けを済ませて、綾野が振り返る


「・・・なんだか、幸せを感じるよ」

「・・・頭でも打ちましたか?」


綾野がエプロンを外して、冷たい視線を向けている