愛は要らない



知らずため息が漏れて、綾野はパンッ!

と頬を叩く


「あー!バカなこと考えたっ」


私らしくない、と綾野は気分を変えようと早足で駆け出した




夕方頃に屋敷へと戻れば、疲れたような顔の遥が目に入る


「何してるんですか、こんな所で」


リビングのソファーで、ぐったりと横になっている遥


「お祖父さんの説教が長くてね・・・」


見れば、丈之助の姿はどこにもない


「どこに・・・」

「お祖父さんは本宅に行ったよ。全く・・・。気まぐれにも程がある」