美穂は、

随分、嬉しそうにしている。

日昼、サラと一緒に
飯をくったなんてメールも、
美穂にとっては、
一大事件だってのは、
俺にも重々わかる。


日本人かつ同性の、
純粋な友達らしき人間が
コイツを尋ねてくるなんて
今夜が、初めてじゃ
ないだろうか?

せいぜい、俺や山本達と、
一緒にいるのが関の山だったん
だから、舞い上がるほど、
嬉しいんだろうってのは、
想像に易い。


「志央、鈴木さんの事、
本気なの?」

美穂が、小声で問う。

「さあね。
会ってすぐだし、
どうなるかは、わかんない。」

素直な気持ち。

今は、惹かれているけど
先の事は、わからない。


ボランティアで、彼女を
追っかけるわけじゃない。


相手の気持ちが、
自分に向かないなら、
やめるだけの話だ。


「同僚だからって
訳じゃないけど・・・


いい加減な事、


しないでね。」



「・・・そのつもりだよ。」


俺達の会話を山本が断つ。


「美穂、様子みよ。
まだ始まったばかりだし。

サラは、人生経験豊富だから。

二人とも大人なんだから
大丈夫だよ。」