とりあえず
車のエンジンをかける。


でも
この辺流して、
こんな時間に歩いてるか?

いや、寂しくて、
飲みに行ったとか・・・。


アイツが、
寂しいなんて
・・・思うのか?


脳内で問答を繰り返す。


「痛・・・」

無意識のうちに、
唇を強くかんでいたらしく
鉄味が口内に広がった。


気を取り直し、
とりあえず、アクセルを踏み、
周辺を流しはじめた。


こんなこと、
想像してなかった。


誰かがいない事で、
不安になるなんて。


あ。

いつも、いなくなるのは
俺の方だったからかな。

知らなかったのかな。


サラを
手元に置いたことで
その距離に
安心してたけど・・・

やっぱ、俺じゃ、
ダメなんだろうか?

愛されてないのか?

信用されてないのか?


ニーノほどに。


最近・・・


心、開いてくれたと
思ってたけど、違ったんだな。


心が折れそうだった。