「それにしても、
お前がカノジョって認めたの、
初めて聞いたよ。」

藤木が、
感慨深気にいう。

「当たり前じゃん。
認めたの、初めてだもん。」

サラの言ってくれた
『好きだよ。』が、
頭の中をリピートしてる。


すっげー、うれしい。
思わず笑んでしまう。


それは、スタジオに
入っても一緒で。


「上機嫌だな。志央。
お前が、心底笑ってんの、
久々に見るよな。」

山本のコトバが響く。


・・・心配してくれていた事を
改めて理解した。


フランソワの死から、
十年近く経つ。


山本は、どんな思いで、
俺につきあってくれて
いたんだろう。


私生活で、無茶苦茶
やってた時も、
ガッツリ説教をかまして
くれつつ、見捨てることなく、
付き合ってくれた。


コイツには、ホント、
感謝がつきない。


「サラと
うまくやってるわけだ?」

気のせいか、
山本の方が嬉しそうだ。

そういうと、
当たり前だろって、
奴はいう。

「お前も色々あったけどさ。
サラもホント、
大変だったと思うからね。」


・・・?



なにそれ?