「うん。感じるよ。」

気持ちを、声にだす。


「俺、ケダモノだから、
単純に、やりたいってのも
あるんだけど。

それ以外にも、
何か意味あるよね。

まあ、理屈は
ゆっくり探せば
いいよな。」

彼は、そういう。

作業を止めて、
志央の方をちょっとみた。

幸せそうな顔してる。

テーブルに頬杖ついて、
私を見ている、その表情が、
驚くほどに穏やかだ。


「ねえ。何考えてるの?」

黒い髪を
梳くように撫で問う。

幸福感が、
私をも包みこむ。

幸せって、本当に、
うつるんだね。

胡散臭い、セミナーやコラムで
ゆってるだけだと
思ってたけど。

私が知らなかった
だけなんだね。



「まだ、ちょっと
足りないかも。」


そういって、彼は立ち上がり
私の手を引き寄せ、
再び寝室へ連れていく。


「えっ?!また、
するのっ?!」

志央の言う
ちょっと足りないものに
見当がついて、赤くなる。

「まさか、嫌なの?」

悪戯な笑みを、
彼はむける。