半ば無理矢理、志央を、
お風呂場に放置して、
コーヒーを入れる。


生あくびをしながら、
テーブルの上に置いた
腕時計をみた。


まだ、もう一寝入り
できそうな時間だ。


それにしても・・・
何時からいたんだろう。


あんなに冷たくなって



バカなんだから。




「サラ」


何だか、不満気に
志央が姿を現す。


「なんで、お前んちに、
男モノの着替えがあんだよ。」

Tシャツを引っ張り、
彼は言う。


「ああ、私が、着るからよ。
伸びるから、
ひっぱらないでよね。」

言って、カップを渡す。


「マジ?」

明らかに、疑惑の
眼差しが向けられた。

「メンズの方が、
手足の丈があうもの。」

「それなら、いいけど。
話の筋も通ってるから。」

何か、渋々納得したように
いって。



ヤキモチでも
焼いてるんだろうか。



心配しなくても
キミだけだよ。




お兄ちゃん以外で、
ここへ来た人間は。



ましてや


泊まった人間なんて
いないんだから。