こんな時間に空いてる店も
俺達がフルメンバーで、
お気軽に入れる店も

そうそう、あるわけ
でもなく・・・

迷うまでもなく、
馴染みの店へ直行となる。


扉のベルが、開閉と共に、
小気味よい音を立て、
すぐに、電球色の、ほのかに
明るい店内へと繋がる。


マスターが、
俺の顔を見るなり、
ニンマリ笑った。


「なんだよ。マスター。
気持ちワリィなあ。」


「残念だなあ、志央。
さっきまで、居たのに!
美穂ちゃんとカノジョ。

入れ代わりだな。

タクシー、
さっき出たところだよ。」



マジ・・・・?



ここにいたのか。


まぁ・・・ここならいいけど。

ナンパも無いから
いいんだけど・・・



何で、今日は
こんなにすれ違いに
なってるんだろう。


であった時は、
有り得ない確率で
遭遇したのに。



ってか、

ガキのくせに、
こんな時間まで
飲んでるなって・・・。


気付けば、
急に、無言になった俺を
察知した山本が、
うまいこと言って、
取り繕ってくれていた。