何となく、志央の気持ちは、
わからなくはない。

互いの気持ちを
確かめる術の一つのセックスも
理由も言わずに、
拒まれ続けている。


おにいちゃんからも、
多少の話は聞いたみたいだし。


当事者であるはずの
自分が聞かされないんだから、
納得いかないんだろうし
内容だって気になるだろう。



ソロソロ、どうにかしなくちゃ
いけないのに、
うやむやにしてるのは、
私だ。


嫌われたくないって、
好奇な眼で
みられたくないっていう


私の勝手な考え方の
せいなんだ。


「私のせいなんだよ。
多分ね。」

言って、ため息をついた。


彼女は、後で話を聞くから、
少しここで待っててほしいと
言い、眼の前の入口から、
ビルの中に入っていった。


「すぐ戻るので、
少し、飲みにいきませんか?
なんかあったら連絡くださいね。
ここなら、大丈夫だと思うけど
この辺、結構女の子どおしの
イザコザが多いから、
離れないでくださいね。」

そう言い残して。


残された私は、
晴れない気分で、
建物の壁面にもたれかかった。