「いえ、昨日、ものすごく
機嫌が悪かったらしくて。
そのぉ・・・・
カレが、カマかけた
らしいんですよ。」


「山本君が?
って、カマって何?」

なんだか嫌な予感がする。


「それが・・・・」

彼女は口ごもった。

「気になります?」
「なるよっ!」

ここまで言っといて、
躊躇しないで欲しい。


「やっぱり、黙ってよぉ。
その方が、オモシロそう
だから。」

彼女は、ニッコリ笑った。


「いじわるっ!」

軽く拗ねて、ストローをくわえ
飲みかけていた、
グレープフルーツジュースを
飲んだ。



昨日は・・・
お互い、音信不通だった。

前日、あんな風に
途中まで・・・を
繰り返した事だし。

どこかで、適当に、
気分転換したんだろうと
思っていた。


それは、寂しく思うけど。

そうさせたのは、私だ。


そう考えると、
追求も、できない。


はまってるジュースも、
今日は、苦く感じる。


とりあえず、
ほとぼりが醒めるまで、
彼には、会わずにいようと
思った。