『縛』

くるしい・・・


この一ヶ月で、
何度となく襲ってきた
何とも言えない痛みに、
胸を押さえ、身を縮こめる。


「サラ・・・?」


名を呼び、
怪訝な瞳を向ける志央に、
背を向け、身を返す。


「志央・・・」

やっぱ、別れよ?


その一言も、
口をつかない。


何してんだろ・・・私。


このまま、
騙し通せるわけもないのに
往生際が悪いのは・・・



「サラ。
俺、今回、
自分に余裕ないんだよ。

甘い事もゆってやれなくて
悪いけど・・・。」


志央は、言って、
背後から抱きしめる。


「おまえさあ。

何で、俺と
付き合ってんの?」



私の
身体が、
ピクッと震えた。