『縛』

 


「サラ、いつかは・・・

俺の事、愛してくれる?」



腕の中の、
俺に、言えない何かを
抱えている彼女に問う。


返って来た返事は、


「多分ね。」



素っ気ない言葉だけど、
真っ直ぐに向けられた視線が、
本気で言ってる事を
意味していた。


「帰ろう。
なんか、腹減った。」

「うん。
そういえば、昨日も、
似たような事、言ってたよね。」

彼女は笑う。

手を繋いで、歩きだす。


俺は、コイツと
本気で向き合う。


「俺は、サラを恋人だと
認識してるから。

今後、違うとか、
言わさないからな。」


今まで

自分が怠ってきた事に、
真摯に取り組む事を
決意した。


「あ・・うん・・。」

迷いながらの同意。


そして、これまで、
何かを隠して来たサラ。

恐らく、これからも、
隠し通すつもりだろう。

それは、許さない。


多分、二人でだったら
乗り越えられる気がするから。