『縛』

今日は、天候が
穏やかな日とは言え、
浜辺は、想像以上に風が
きつかった。


荒波で砂が削られ、急激に
段差をうみだす砂浜の形状に、
一瞬にして、サラの姿を見失う。


このクソ寒い中、
子供みたいに、波打ち際まで
素足で走っていったサラが
突然消えたような錯覚に
捕われる。


それが、フランソワと
重なった。


彼女が、突然
亡くなった日が
回想されて・・・



無意識に、彼女の名を
叫んでいた。


サラを・・・。


一度も、違うことなく、
サラの名を


叫んでいた。