そして俺は、授業を聞いてるフリをして一日を終わらせた



放課後になり、帰ろうと席を立つ



教室には……


「私が一緒に帰るの!!!」

「あんたなんか、相手にされないわよ!」

「そんなの分からないじゃない!」



…俺と一緒に帰ろうとする女どもがいた



(しつこいな……)


泣かされたのに、まだ来るか…?



俺は騒いでる女どもの横を通って、教室を出る




廊下には俺の足音だけが響いていた



(みんな部活行ったのか…)



「…あ……」




廊下で友達と話している、一人の女と目が合う




……姉崎だ




姉崎は俺と目が合うと、すぐに顔を背けた




……まぁ…いいけど


俺はそのまま止まることなく、姉崎の前を通りすぎる





――…早く、仕事しなきゃ……