啓汰は無言で立ち上がり、食べたものを片付けに行く
俺も同じようにして片付ける
「…風呂、行こ」
「…あぁ」
湯舟に浸かるまで、俺達はずっと無言だった
何も言わない啓汰に申し訳なく思ったが、俺から声を掛けるのはいけない気がして、何も言えなかった
「…鋼柳も、色々考えてるんだな」
俺が丁度湯舟に足を入れるとき、啓汰がポツリとそう言った
「え?」
啓汰は、俯いたまま言った
「俺、鋼柳は何も考えてないのかと思ってた
だけど、何も考えてないのは俺だった」
自嘲気味に笑う啓汰
「ハハッ…
そうだよなー…うん」

