俺がいつもはしないような表情をしていたからか、昇が心配そうに言った





「いや…





失敗はしてない」





弱弱しくそう答える





「…変なこと考えてないよね?」





昇のその言葉に思わず顔を上げる





昇は俺を冷めた目で見ている



そんな目で、昇から見られるのは初めてだったので、少々驚く





「…鋼柳





今、どんな状況になってるか、分かってる?





新しく、殺人人形が生まれるってことは、鋼柳に何か問題があるからだよ?





見たところ、腕は落ちてないみたいだし、鋼柳の考え方が問題なんだろうね





だから、ほとぼりが冷めるまでは何も考えずに仕事をするんだ」





…初めて親らしいことを言われた気がする