啓汰は俯いて、そう言った
ただ、筋トレが嫌だからっていうワケでもないようだ
前の俺なら「心は捨てろって言われなかったか?」って啓汰を冷たい目で見ていただろうな…
でも、そんなこと俺が言う資格はない
姉崎に対して、特別な感情を持っている俺には…
「…啓汰……」
切なそうに啓汰を見る所長
俺は啓汰の前に行き、しゃがんで目を合わせる
啓汰は今にも泣きそうな顔をしていた
「…そこまで俺にこと、大切に思ってくれてんだな……
ありがとう…
でも、その感情…絶対に仕事のときには出すなよ?
組織の前では何が何でも隠せ
いいな?」
…バレたら殺される
ここでのルールだ
「分かってる…
頑張るよ」

