啓汰は先に足の傷を治療をしてもらい、後から上半身を治療してもらっていた
「まぁ…
鋼柳に傷がつけられたから、あの子に会うには禁止ってのはナシな
………一週間筋トレはしてもらうけど」
彼女に会えないことで暗い表情をしていた啓汰の顔が一瞬にして明るくなる
「マジ!?
やったね!!」
やった、やったと騒ぐ啓汰を「全く…」と呆れながら所長は見ていたが、楽しそうだった
「啓汰、強くなったな
本気でやって傷をつけられるとは思わなかった」
啓汰は照れくさそうに「それでも鋼柳の方が強ぇよ」と言った
「ま、恋の力は偉大って事だな!」
「なっ!」
顔が赤くなる啓汰に俺と所長は笑う
「わ、笑うな!!」
しばらくすると、何かの音が鳴った
…所長の携帯だった
「…昇だ……」
一気に静かになる

