「…さ、行くか……」





赤い血を出す女を冷めた目で見て、昇は歩き出す





俺はただ昇についていく……





運がいいことに、建物の出入口には見張りがいなかった





「ここからだ……




気を抜くなよ」





「あぁ」





慎重に中に入り、あみを探す





建物の中には何もなくて、広い空間だけがそこにはあった





「あら、珍しいお客さんね」





突然、建物の出入口の方から声が聞こえた





「あみ……」





そこには、腕を組み、笑顔でこちらを見ているあみの姿があった





その瞬間、扉が閉まる





外から、ガチャリと音がする