過去を悔やむ事は悪い事じゃない。でも、後悔だけしていても何も始まらない。

「今の俺は対して強くはないかもしれないけど、サヨを守るだけの力をこの先絶対に手に入れてみせる。だからサヨも俺と一緒に強くならないか?」

昔の俺は、サヨに強い人間だと思われたくて必死だった。でも今はなぜかサヨに自分の弱い部分を見せている…。

男として弱い部分は好きな女の子に見せるのを恥ずかしいと思っていたんだ。

でも違った…。

「サヨも…一緒に?……良いの?」

世の中に完璧な人間なんていない。誰しもが弱い部分を持って生きている。

「サヨが嫌じゃなければ喜んで」

本当に必要な事は、自分の弱い部分を見せる事が出来る存在になる事だ。

相手の弱い部分を受け入れ、相手も俺の弱い部分を受け入れてもらう。こんな関係が一番の理想の関係…。

「こんなサヨでよければ……喜んで」

見上げる様にサヨが俺の顔を見ながら呟く。

俺の全てを受け入れてくれるサヨのこの笑顔があれば俺は…。

この世界で道を見失うことなく生きていける。

そんな気がするんだ…。











「ハヤトぉ?ヒサジのお見舞い行かなくていいのかい?」

「今は俺の出る幕じゃないだろう…それにどの面下げて、サヨちゃんに会えって言うんだ?ヒサジをあんな目にあわせた張本人だぞ?」

ヒサジやサヨが居る病院の駐車場に、ハヤトとミツハルは何気なく会話をしていた。

ミツハルはサヨとカズヤとヒサジを車で病院に運んだので、こうして病院に居るのだが、ハヤトはヒサジと口ケンカした後、静かにビルを後にし、こうして病院に後から来た訳である…。