あの日からお姉様は部屋から出てこない。


私もレオナルドも訪ねるけど、帰ってこない返事。


今日も会ってもらえず廊下を歩いていると

ふわりと甘くていいにおいがした、キッチンに行くとそこには焼き菓子を作っているレオナルドの姿があった。


「レオナルド?何してるの?」

声をかけると急いで作っている途中の
物を隠そうとする、

「あっ…ごめんなさい邪魔してしまって…」

「いえ…」


………

この間はどしたらいいかな?私から声かけてしまったし

「そ、そのお菓子美味しそうね!誰にあげるの?」

「これは、女王様にと思って…昔よく召し上がられていたから。」


隠すのを止め、再び生地を伸ばす作業をするレオナルド。

「そうなんだ、お姉様会って下さったらいいわね。私は今日も駄目だったわ。」


ストンと近くにあった椅子に座る。今はちょうど昼の休憩なのか私達二人以外は誰もいない。