部屋から出て私セシルに抱き抱えられたまま長い廊下の先にある自室に向かっていた。

もう外は日が傾き少し暗くなっている。

「セシルまたまた迷惑かけてしまってごめんなさい、後先考えずに王子を叩いてしまって…」

はぁ、とため息をつく。お姉様の事を言われて頭にきてしまいつい…ね。それよりお姉様は大丈夫かしら?

想像妊娠とかあの王子言ってたけど…


ブツブツと独り言を言ってる間に部屋に着き扉を開ける。

扉を閉め、ソファーに降ろしてもらったと同時に


グイッ


彼に抱きしめられた。


とても強く苦しいくらい

私も背中に手を回して抱きしめる。彼は震える声で

「すまない…俺がもっと早く来ていればあなたがこんな目に合う事もなかったのに…」

その言葉がとても嬉しくて、私は自分からセシルにキスをする。驚いた様子だったけど答えてくれた。