薔薇の王女

お腹を擦りながら、ふぅと息を吐く。王子との子、何故かまだつわりがこないのが気になるけど…

それは人それぞれだと周りが言ったので深くは考えないようにしてる。

もし生まれたのが男児なら跡継ぎに、女児ならおそらくスペイン王家に嫁ぐだろう。

これがこの国の最後の望み…だから何としても産まなければいけないわ。

「メアリ?どうかしたのかい?」

王子に声をかけられ顔をあげる。

首を振り

「何でもないわ、大丈夫です」