薔薇の王女





ギィ……



ギィ……



船の揺れる音を聞きながら私はロンドン塔の入口である「反逆者の門」を通る。

この門を潜り出られた者はいない…もし出られるとしてもそれは自分がこの世にはいない


つまり死体となって出るしかない

お母様もフィナもここを通り二度と出られなかった


怖い…とても怖い…



「着いたぞ、クレア王女様こちらへ…」

塔への入口に船を寄せ降りる。

独特の空気に



血の臭いもする