薔薇の王女

唇を離すとセシルはまだ私を見つめたまま


「セシル私あの!!」


「少し待ってくれ」


セシルはそう言うと次の瞬間


ゴン!!



壁に頭をぶつけ、その震動で近くの机の上の白色の花瓶が落ちてしまった


水がこぼれて部屋の絨毯にシミが出来る


「せ・セシル?私何かまた余計な事を」


壁に頭をぶつけるのを止めこっちを見て


ギュッと抱きしめられた




「反則だ。あんな口づけ、どうしてこんなにも愛しいんだ…」


抱きしめられた背中に腕を回し


「ごめんなさい私あんな痣だらけの腕を見られて嫌われるって思ってしまったの」


「だからあんな事してしまって…本当にごめんなさい!!」


また強く抱きしめる






こんなにも愛しい人がいるなんて