薔薇の王女

「アン様はヘンリー王により処刑されました、それは事実です。男児を期待されてましたが産めなかった…それが原因で」

「父はそんな理由で母を…じゃあもし私が男だったら死なずにすんだのね。やっぱり私…」


「クレア様、アン様はあなたを恨んでことなど一度もありません。あなたを本当に大切に思っておられた、あの方が何より悲しかったのがあなたの傍にいれないこと。」

アイクは真っ直ぐ私を見て言う。その瞳は嘘をついてなかった

「お母様は私を恨んでいないの?愛してくれてたのね!!」

お母様!!私のせいで処刑されてしまったのに


「アン様は自分の代わりに私にクレア様を見守ってほしいとお願いされたのです、それが最後の願いでした。あなたは生きるのです…アン様は一番それを願っています」

アイクの言葉一つ一つが胸に響く。お母様が命を懸けて守ってくれた私の命、そして王位継承権。

「アイクあなたに感謝だわ、私自分のことしか考えてなかった…お母様の気持ちも勝手に決めつけて。話してくれて本当にありがとう!!」

力強くアイクの手を握る。この話を知らなければ私はずっと母の気持ちを勘違いしたままだった


「あなたは一人ではありません。それだけは分かって下さい」

「アイク…私生きる!!もう自分の不幸には酔わないし周りに流されない!!」

だって私は一人じゃない

お母様が見守ってくれてるから。お母様が守ってくれた命を無駄にはしてはいけない