薔薇の王女

それから少ししてまたドアを叩く音がし、

「ドーセント候をお連れいたしました。」

「分かった、この後部屋には誰も近づかないように言っといてくれ。」

男は頷き頭を下げ出て行った。

この部屋には私とドーセント候の二人のみ、私は部屋に用意してあったグラスにワインを注ぎドーセント候に渡す。

「計画、うまくいきましたな。」

「ああ、これで私達は王位が近くなったというもの・・・しかし…」

「しかし?どうされました?」

グラスを持つ手が震える

「フォルカめ!!あの男を始末出来んかったのだ!!あれほどの金を払ったというのに!!」

「私達はアイク殿を甘く見すぎたようですね…しかしフォルカは自爆したと聞いておりますが。」

ぐぃっとワインを一気に喉に流しこみ一息つく。

「さすがに自分の屍をさらすのは嫌ったか自ら消し飛びよったのよ、これで私達の計画は知られる心配はない。」