薔薇の王女

「どうしたの?苦しいの?何かほしいの?」

顔を覗くと弟は泣いていた。幼い子の様に

「姉さん…僕は死んでしまうの?お母様はなんでいなくなってしまったの?僕の事嫌いに…なったのかな…好きな人なんていないのかな…」
身体を震わせ涙を流しながら弟は自分を責める





「貴方は一人じゃないわ。私がいる、あなたは私の大切な弟…絶対一人にしないから。」

そう言い聞かせぎゅっと抱きしめる。ああ、弟の身体はこんなにも細かったのね。

「皆あなたの事を嫌ったりしない、お義母様もあなたの事を我が子の様に愛情をそそいでくれたわ。それはあなたが一番分かってるでしょう?」

弟はこくんと頷いきまた泣いた。

「大丈夫、一人じゃないから。元気になったら一緒にどこか遊びに行ったり勉強したり楽しく過ごしましょう?ね?」

弟はもう涙が止まり私の目をまっすぐ見て少し笑い

「ありがとう。クレア姉さん…僕頑張るから。」

そう言うと静かに目を閉じた。