薔薇の王女

「クレア様―――!!」

エマの呼び声でセシルさんは慌てて私から身を離した

「すまん、なんと言うか…その」

セシルさんは顔を少し赤くしながらブツブツ独り言を言った

私は抱きしめられた事で頭がいっぱいで、またしてもぼんやりしてしまった

「私はこれで、失礼しま――」

「待って!!」

私は自分からセシルさんの手を掴んだ

「また…また会いたいの…会えるかな?」

「……会いに来る、場所はここで、会える日にはこのベンチの下に花を置いておく」

「うん、うん分かったわ」


「セシルさん!ありがとう」

そう言いながら私はセシルさんと笑顔で別れた