薔薇の王女

セシルさんはとても驚いたのか目を見開いてた

でも一番びっくりしたのは自分

あんなにも声を出すのが怖かったのに

あんなにも恐れていたのに




それよりもセシルさんとこれきりになる事の方が怖かった

「あ、あ、あ、あり…が…とう」


「クレア様?声が?」

「ありがとう、私の…事を…心配してくれて」

「いいんです…私は」

「敬語やめて、普通に話し…て?」


「……ああ、分かったよ。でも何でいきなり声が出たんだ?」