その顔が不安そうにも見える。



「なんにもしねぇ」

「へっ!?」

「なにもしねぇから。服、コレと…コレ。着替えたら呼べ。猫、連れてくる」

「は、はいっ!!」



リビングに出て、猫を探した。



よっさんのとこにいるのか、姿が見えない。



2階にあがると、開いてるドアから飛び出して来た。



「よっさんに食われんぞ」

「ニャ」



嬉しそうに肩に乗り、すり寄ってくる。



もしかして、お前が俺と若菜を出会わせたのか?



なんて、メルヘン思考。



気持ち悪くなり、そんな考えは即捨てた。



「ケントさん…大きいっ!!猫ちゃん!!」

「ん、部屋で」

「久しぶり!!大きくなったね~」



俺と若菜、そして猫。



今まで味わったことのない、暖かい感じ。



なのに、若菜が着てる俺のデカすぎるスエットが…。



やたら俺を苦しめた。



なんにもしねぇとか、いつまで我慢できんのかわかんねぇな。



だけどもう、若菜は俺のもん。