【ケント】



相変わらず、俺たちは公園で会ってる。



あのデートから変わったことといえば、話すようになった。



悠大が入院した次の日も、俺は公園にやってきた。



「ケントさん、なにかありました?」

「別に」



寝てないだけだと言い聞かせ、若菜の隣に座る。



俺が他人を心配なんかするはずねぇ。



陽は相当心配してたから、今日も見舞いに行くだろう。



尚道も今日は行くと言っていた。



俺は悠大とそんな仲じゃない。



きっと俺が行っても迷惑だろう。



「け、ケントさん?」

「んぁ?」

「何…でしょう…」



は…?



何で手なんか握ってんだ、俺…。



抱きしめたい症状の末期で、ついに無意識に…。



嫌われたくないので、手を離した。



気まずい…。



「今日、帰る」

「えっ!?」

「若菜になんかしそう。自分でも今の俺、よくわかんねぇ」

「わかりました!!明日も…会えますよね?」

「ん」



今日は一緒にいない方がいい。



動揺してんのか?



何で悠大で?



俺には友達なんていないし。



悠大はただの同居人。