斎藤とふたりで寄りかかって寝た木に、レオ先輩が斎藤を押しつけた。



イヤがってる斎藤にそのままキスして。



抵抗をやめた斎藤は、レオ先輩にされるがまま。



見てられなくて…逃げるようにその場を後にした。



あんな一方的なの、キスなんかじゃねぇ。



アレはもっと幸せなもんだろ?



斎藤、絶対悩んでる…。



教室に戻り、授業が始まる前に斎藤が戻って来た。



目が合って、でも、かける言葉が見つからなくて。



胸がチクチク痛い。



「覗くの、趣味なの?」

「えっ…?」

「結局誰もが見て見ぬふり」

「斎藤っ…」

「別に他人に何かを望んでるわけじゃないけど」



いつもの顔に戻ってる斎藤は、机から教科書を取り出した。



なんとかしてやりたいって思うのは間違ってるのか?



俺は…バカかもしれない。



「今日、ヒマなら遊ばね?」

「はぁ?あんた、マジで死にたいの?」

「お前を解放してやりたい」

「あはははっ!!最高っ!!」



初めてみた笑顔。



その日の放課後、斎藤はすぐに教室から姿を消した…。