なんだか胸が痛くなった。



柴田さんには見透かされてる気がして。



俺が取り繕ってきたものとか、被ってる仮面が。



「じゃ、あたしこっちだから」

「また明日~」

「よろしくね~」



誰にも心配かけたくない。



同情もされたくない。



俺の気持ちなんか、わかるはずないのに。



わかったふりして、一緒に落ち込んだりされたくなかった。



だから今まで笑ってきた。



それを…彼女は見抜いてるのかもしれない…。



「あ"ぁぁぁぁ~!!」



バイクで走りながら吠えてみた。



ちょっとスッキリして、でも泣きたくなって。



走って、走って、どこまでも走りたくて。



それができない自分に、またどんより。



いい加減にしろ。



新しい何か、見つけるはずだろ。



頑張れ、俺。



「ただいま」

「キャァァ!!怖いよ尚ちゃ~ん…」



家に帰って、陽と悠大に挟まれホラー映画を見た。



内容より、柴田さんの言葉が頭を支配した夜。