俺が言いたかったことを言ってくれたようで。



なぜか少し、救われてる。



「就活しなきゃいけないんじゃない?」

「俺、決まってんの。結構大手の会社だし。大学出たら普通にサラリーマン」

「そっか、なら今のうちに遊んどかないと」

「じゃあ俺と遊ぶ?」

「遊ばない。あっ、あたしこっちだから。明日もよろしくね、村上くん」


よろしく…。



あっさり断られたな…。



まぁ、半分冗談だったんだけど。



そのままバイクに乗って家に帰ると、珍しくケントが起きていた。



「眠れねぇの?」

「メシも食えねぇ…」

「病気か!?」

「違う、たぶん…」

「じゃあ…」

「ハァ…」



オイオイ、まさかケントくん。



恋しちゃったとか言うなよ?



「好きな女でもできてたり~」

「嫌われんのって、こんなに怖いんだな」

「マジですかっ!!どんなヤツ!?」

「うっせぇな。寝る」



深入りすんなって?



ケンらしいけど。



アイツが恋とか、笑える。