やっぱりよく喋る。



ソレが俺には心地よくて。



動物園に着く頃には、若菜の好きなものを把握した。



色は白、動物は猫、食べ物は甘いもの、教科は音楽。



俺は聞いてるだけで、頷くだけ。



喋るのに一生懸命で、見てて飽きない。



「中に入りましょう!!」

「ん」



小学校の遠足以来の動物園。



パンフレットを見ながら、動物を見る。



ゾウとか、キリンとか。



そんなものより、俺たちのテンションがあがったのはコレ。



「ライオ~ン!!おっきい猫ちゃんみたぁい!!」

「だな」

「ケントさんって、ライオンっぽいですよね」

「…………」

「あのライオン、ブルーの目にしたら、絶対似てます」

「怖いか…?」

「はい?」

「お前、俺が怖くねぇの?」

「怖くないですよ?猫ちゃん拾ってくれた、とっても優しい人ですから」



笑ってそう言われ、目を反らした。



顔、赤いかも…。



今、まともに目を合わせられない。