気持ちを伝えようとも思わないけど。



あの時間がなくなるのはイヤだ。



だけど、この気持ちが溢れだしてしまったら…どうしたらいいんだ?



「ケ~ン、仕事行くから準備しとけ~」



休みの日、よっさんにそう言われて私服に着替えた。



生活費を稼がなきゃならない。



その為によっさんが俺に仕事をくれる。



よっさんの仕事のひとつ、ネットで売ってる海外の服を着るモデル。



喋らなくていいから楽。



「いやぁ、助かるよ。ケントの日本人離れした顔が」

「うん」

「じゃ、バシバシ撮ってさっさと終わらせてくれよ~」



よっさんに話を聞いてもらおう。



仕事終わりに、よっさんとメシを食いにやってきた。



「好きな女ができた」

「ブハッ!!」

「汚い」

「わりっ!!いや、意外過ぎてつい…」

「どうしようもなく、自分のにしたくなる」

「すりゃあいいよ。お前、イケメンだし。デカいし」



どこ見て言ってんだよ…。



簡単にすりゃあいいって。