ムリヤリしたキス。



暴れる腕を押さえつけてる。



「いっ…」

「彼女になりたいっ…のにっ!!こんなの…違うもん!!」



泣かせた。



ドアを開けて出てった白咲を追いかけることもせず。



思い切り噛まれた唇がジンジンする。



いてぇよ、バカ。



教室に戻ったらいつものメンバー。



「陽、今日ヒマ?」

「なんでぇ?」

「この前逆ナンしてきた女が陽に会いてぇって」

「パス、気分乗んない」

「珍し~。陽にも気分とかあったのか~」



そりゃああるよ。



あんなふうに泣かれたら…。



俺だって心は痛みます。



な~にやってんだ、俺は…。



なにもせずに家に帰り、ケントが拾ってきた猫と遊んだ。



アイツ、猫みたいなヤツ。



寄ってきたと思えばひっかくし。



「お前、名前あんの?」

「ねぇよ」

「ケンッ…」

「猫は猫。食うなよ?」

「食わねぇよ。噛みつくどころじゃ済まなそう…」



泣かれたら、食えねぇよ…。