ケントとこんなに話すことも滅多にない。



コイツは悩んだって、悩みはよっさんにしか言わない。



ケントと向き合ったことって、今までなかったかも…。



先を歩く彼女たちの仲の良さを見ながら、俺の隣にいるケントを見上げた。



「なんだよ…」

「がんばれ」

「おぅ…」



ケントにも普通の感情があったのか。



応援したくなっちゃうじゃねぇか。



「スミレ~」

「なぁに?」

「ん~!!」

「手?繋ぎたいの?」

「うん」

「陽ちゃん、甘えん坊~」



俺らのラブっぷりでも見せつけときゃ、少しは若菜っちも意識するだろ。



手を繋いだら、ケントがあからさまに動揺し始めた。



マジでピュアだな…。



「丸1日一緒なんて、初めてだね、スミレ」

「そうだね!!明日も陽ちゃんと一緒、嬉しい!!」

「俺も嬉しい~!!」

「うぁっ!!凄い星!!」



暗闇で、満点の星空。



かなり凄いかも。